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雨降り桜と姉

折角の桜日和なのに、京都は雨です。

二階の息子の部屋が空いてからもう、4ヶ月が過ぎました。
ベッドだけは置いてあるのですが、勿体無いので、私が私の「おもちゃ箱」を少しずつ運んでは、私の使い勝手良い様になりつつあります。
今日は姉が残したCDを彼の部屋に運びました。
何気なくかけたCD・・・・“夜のストレンジャー”フランクシナトラ。
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姉と私は同じような映画を見、同じような音楽を聴きました。
読んでいた本こそ違いましたが、しっかり読めない頃から姉に読み聞かせてもらっていたのです。
13歳年下の私にはマセタ映画に、音楽に文学でした。
背伸びしながら、姉の影響を強く受けて育った私は、姉の気持ちが痛いほど分かる存在でした。でも、私は“分かる気持ち”を行動に移せず、姉に報いる事もなく別れを迎えたのでした。

「家」という縛りに強く縛られました。それは京都独特なのか、全国共通なのか私には分からないのですが、自分が自分自身の気持ちだけで動けない、動いてはいけない状態に置かれていたのです。それを姉が理解したか如何かは分からないが私には「悔しさ」が残りました。納得した「悔しさ」ですが、やはり悔しいものです。

“夜のストレンジャー”・・・姉と聞いた曲。姉のあの時の表情が目に浮かんできます。
私は今、涙が止まらない~~止まらないです。

姉が撮っていた小澤征爾のビデオもありました。
結婚してからも、姉の推薦の音楽はビデオを撮っては送ってくれていました。
「2002年の新年の小澤征爾のビデオ」というと、姉が蜘蛛膜下で倒れてから3年目です。
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一生涯独身で通した姉には、音楽や猫やビデオは家族との団欒のようなものでした。
倒れてからは、言葉が儘ならず、右半身も不自由でしたが感性だけは元気な頃の姉そのものでした。たくさんのCDも倒れてから買ったものも多く、レコード屋さんと本屋さんと電気屋さんとペットショップはお気に入りでした。不自由な体で、よく出かけていたそうです。

今日のような雨の日に姉を思いさせたフランクシナトラの“夜のストレンジャー”
姉は、桜の木の空の上で《いいもん、のこしたやろ~楽しみや!》何時もの、はにかんだ笑いを見せているように感じた。
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by yukiwaa | 2009-04-04 16:25 | 思い出つらつら